前章より
「あやめの花にまつわる世界の逸話
この花に芸名を託した 私の想い」
とは…
名前の由来はいろいろですが
一番の理由は、
やはりこの花が好きだったからです。
みなさんはこの花に
どのような印象をお持ちでしょうか?
たとえば…
艶やかな紫と黄色の
着物のような色彩に
ふわっと広がる
お振袖のような花びら
凛と伸びた茎に
日本刀のように鋭い葉
日々修練を積み、美しく咲く
舞妓さんのように見えませんか?
菖蒲(あやめ) は
菖蒲(ショウブ)
とも読みますが、ショウブとアヤメは
実はまったく違う植物です。
ショウブの場合
香りのよい葉が病邪を祓う剣に例えられ
5月5日の端午の節句には
健康長寿を願って菖蒲(ショウブ)湯に入る
風習があるのもみなさんご存知でしょう。
(本来は中国の習慣が伝来したものです。)
勝負や尚武(武道)と音がにていることから、
武家にも好まれたようです。
古来から人々にとって、縁起物なのですね。
海を超えて…
ヨーロッパでは、
あやめはアイリス(Iris)とよばれます。
ギリシャで
アイリスは、その色鮮やかさから
“虹の女神 イリス(Iris)” として讃えられ、
また、フランスでは
アイリスの花が、国の紋章にもなっています。
さらに、イタリアでは
名画「ヴィーナスの誕生」の中で
絵画; 左側
春風の神と、花の女神が結婚した後
このアイリスの花が創られた
という、あまり知られていない
ストーリーがあるのです。
なんて神秘的で美しい
アイリスの創造秘話でしょう…。
私の一番大好きな絵画です。
花言葉は
希望 よい便り
ほのかに優しい印象
なにか良いことがあるかも…
という期待を
国境を越えて
時代を越えて
人々はこの花を見て
そう想いを馳せてきたのですね。
芸者の色は十人十色ですが
私はそんなあやめ(Iris)の花のような
芸者になれたらいいな、なんて思います。
名に恥じることのないよう
精進して参ります。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます♪
向島 あやめ